米田透 俳句集(2024年)
響焔2024年1月号(No.667)
青焔集
暮の秋 (横浜)米田 透
富士山と護摩の白煙秋気満つ
第一走者こけて地域の運動会
金目鯛頭の方を友が取り
火口までのリフト恐ろし秋の湾
出張で帰国のむすめ暮の秋
響焔2024年2月号(No.668)
青焔集
暮の秋 (横浜)米田 透
秋深し読経したのち熟睡す
冬隣三人減った従兄弟の会
重い鍋に溢れそうなるおでんかな
冬の雲兄の魂納められ
放水の訓練もやり冬の空
響焔2024年3月号(No.669)
青焔集
暮の秋 (横浜)米田 透
ショパンの曲聴いて勤労感謝の日
スマホありきの世界広がり冬銀河
十二月包丁研いで親子丼
生クリームを泡立てる役クリスマス
寒柝をうち火の用心と声を出す
響焔2024年4月号(No.670)
青焔集
寒修行 (横浜)米田 透
年立つや一歩踏み出す決意して
冬日燦団地貫くバス通り
在仏の味覚の記憶冬の夜
老いてなおめざすべきもの寒の寺
宝前で錫杖を振り寒修行
響焔2024年5月号(No.671)
青焔集
寒修行 (横浜)米田 透
北陸から美しいふみ春隣
のろのろと車転がし春の雪
白梅紅梅歩みの遅い友もいて 〈岩佐久 抄出〉
胡麻豆乳鍋新しいことやってみる
二月のZoom補聴器の話題など
響焔2024年6月号(No.672)
青焔集
寒修行 (横浜)米田 透
青焔集作家・特別作品(裏表紙)
春宵
春雨や記憶の道と今の道
目借時ドラマの子役背が伸びて
納豆オムレツは上級編春の宵
春宵やポタージュどっと吹きこぼれ
三・一一おにぎりと薩摩汁
仲春や刺身旨しとおもう歳
春休みピザ屋のバイク道迷う
塩鮭と切干煮物昭和めき
春分の日読経していて眠り落ち
春は曙ロボットに曲リクエスト
青焔集作品
菜種梅雨
春寒やタンパク質をより多く
百千鳥カレーの色はトマト色
インターフォンモニター付に初桜
逆境はチャンスと思え春の空
菜種梅雨さかな売り場で妻さがす
響焔2024年7月号(No.673)
青焔集
染卵 (横浜)米田 透
染卵子孫は別の文化圏
四月馬鹿耐震工事無事終わり
九十を超えた恩師や花祭
校庭の桜満開がんばろう
親切な眼鏡店員鳥曇
響焔2024年8月号(No.674)
青焔集
夏はじめ (横浜)米田 透
自転車の虫ゴムを替え夏隣
手書き派の作家サポート夏の夜
池波正太郎原作ドラマ夏薊
小満や歯科に再び通い出す
包丁をまとめて研いで蝉の声
響焔2024年9月号(No.675)
青焔集
鎮魂歌 (横浜)米田 透
初夏のハワイのビーチ鎮魂歌
台風一号近づいて来て消滅す
聖地への参拝果たし初夏の風
日々精進急げ急げと蝉時雨
夏至の日は音楽一色オルレアン
響焔2024年10月号(No.676)
青焔集
夏祭 (横浜)米田 透
歯磨きを少し褒められ梅雨晴間
小学生と囲碁の対局柿若葉
一汁三菜隅っこのモロヘイヤ
冷凍庫買い自治会の夏祭
短夜や包丁研いで親子丼