米田透 俳句集(2023年)

響焔2023年1月号(No.655)

青焔集

蘭の花    (横浜)米田 透

渡り鳥ふっくらとしたがんもどき
自然薯をすりおろす役食べる役
みなとみらいの立体迷路秋の雨
鳥渡るフランス産のマスタード
(松村五月鑑賞5月郷)
友逝きて有志で贈る蘭の花 (岩佐久抄出)


響焔2023年2月号(No.656)

青焔集

冬初め    (横浜)米田 透

ずわい蟹沈黙続く食べ始め
イカ墨のパスタ大人のハロウィーン
ホイル焼きの底に焦げ跡暮の秋
流感のワクチン接種青い空
僧階がひとつ上がって冬紅葉


響焔2023年3月号(No.657)

青焔集

柿落葉    (横浜)米田 透

話題いろいろ男同士の紅葉狩
ひさびさに弟と囲碁柿落葉
年の瀬のビーフシチューの香りかな
熱弁のZOOMの画面年惜しむ
ごみ出しがあるから起きて冬至かな


響焔2023年4月号(No.658)

青焔集

雪催    (横浜)米田 透

海老天が飛ぶように売れ年の暮
カツ丼のカツを煮過ぎて冬の雲
(波多野真代抄出)
海鮮の寄鍋囲み夜の黙
自治会のサイト完成春近し
JAFが来てエンジン蘇生雪催
(河津智子抄出)


響焔2023年5月号(No.659)

青焔集

ロープの手すり    (横浜)米田 透

ふわっとしたカレーができて寒い夜
(波多野真代抄出)
節分会カメラに向けて豆蒔かれ
六年ぶりの娘の帰国春立ちぬ
参禅のごとき二時間春浅し
階段にロープの手すり春きざす


響焔2023年6月号(No.660)

青焔集

夕桜    (横浜)米田 透

出迎えの瞬間を待ち春の風
(河津智子抄出)
来訪の記念撮影花三分
(波多野真代抄出)
ジブリ美術館の螺旋階段春うらら
孫二人二重国籍花曇
見送って肩の荷下ろし夕桜


響焔2023年7月号(No.661)

青焔集

筍飯    (横浜)米田 透

囲碁会の後は花見になりにけり
(波多野真代抄出)
七十六まだまだ死なぬ春の虹
手間のかかった筍飯がどんと出て
(河津智子抄出)
採血の針がチクッと春深し
朱の躑躅いつもと違う散歩道


響焔2023年8月号(No.662)

青焔集

初夏の風    (横浜)米田 透

鳥帰る人はのんびり散策し
妻と行くデュオリサイタル夏隣
初夏の風横浜に出てよく歩く
初夏の雨川辺のインド料理店
聖五月伴侶のためにケーキ焼く


響焔2023年9月号(No.663)

青焔集

自然体    (横浜)米田 透

ミートソースに赤味噌少し薄暑かな
(波多野真代抄出)
夏の朝熱海駅まで登る道
父の日やLINEで届くおめでとう
囲碁会は相手が勝って男梅雨
(河津智子抄出)
父の日やLINEで届くおめでとう
何事も自然体良し揚羽蝶<


響焔2023年10月号(No.664)

青焔集

秋暑し   (横浜)米田 透

予定ない長い一日西瓜食う
(秋山ひろ子抄出)
七十六まだまだ死なぬ春の虹
七月のZoom議題はインドなり
囲碁会の会場出れば梅雨明ける
おめでたいアメリカ映画夏休み
ホームページの更新終わりかき氷


響焔2023年11月号(No.665)

青焔集

秋暑し     (横浜)米田 透

極暑かな列車が鮨を運び来る
ひいらぎの剪定ゆっくり秋暑し
山の日や奥多摩にあるわが青春
(河村芳子抄出)
おとこ五人夏の河豚鍋会社とは
秋暑し図書館カード更新す


響焔2023年12月号(No.666)

青焔集

秋暑し     (横浜)米田 透

未来から人来るドラマ秋めきて (秋山ひろ子抄出)
セルフレジなんのことなし秋の風
鮨食って帰ればあとは楽である
大きくて甘い八千代の梨を食う
新月や常に仏と共にいて



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