米田透 俳句集(2022年)
響焔2022年1月号(No.643)
青焔集
秋寒し (横浜)米田 透
お土産はフライドチキン秋深し
十月やテレビ体操男子増え
芋の煮物男子にとって上級編
秋寒し美しい眼の執刀医
ステーキを各自が焼いて暮の秋
響焔2022年2月号(No.644)
青焔集
柿紅葉 (横浜)米田 透
退院は再会に似て柿紅葉
(和田浩一、河村芳子抄出)
秋高しネット画廊に抽象画
一病息災後期高齢天高し
(松村五月抄出)
「キラキラ星」聴かせてもらい冬初め(森村文子鑑賞-響焰6月号)
冬の宵ひと手間かけたカレーでき
響焔2022年3月号(No.645)
青焔集
iPhone (横浜)米田 透
五人兄弟二人残って冬の空葉
新しい雨戸するする冬の月
冬凪や家族のために死後のこと
リフォームのあとの疲れか冬の蝶
新しいiPhoneが来て寒昴
響焔2022年4月号(No.646)
青焔集
さあ一歩 (横浜)米田 透
カマンベールとザワークラウト枯木星
大晦日澄んだ音色のクラシック
元旦の真っ青な空さあ一歩
(和田璋子抄出)
箱根駅伝人間はなぜ走る
道路凍結類人猿のごと歩く
響焔2022年5月号(No.647)
青焔集
人と会う (横浜)米田 透
大鍋に豚汁たっぷり寒の内
豆撒きは内陣へのみ節分会
大げさな予報はずれて春の雪
レモン添え鮭のムニエル建国日
(森村文子鑑賞-響焰9月号、和田璋子抄出)
家を出て人と会うこと春めけり
響焔2022年6月号(No.648)
青焔集
白木蓮 (横浜)米田 透
かんかんがくがくネット飲み会春きざす
(波多野真代抄出)
円形の春の枯野は音が無く
三月のカレーソースはなめらかに
春めくや話したいこと順番に
何があろうと咲く時は咲き白木蓮
響焔2022年7月号(No.649)
青焔集
雲雀野 (横浜)米田 透
コロナ禍に戦禍加わり万愚節
春の宵揚げたばかりの烏賊フライ (森村文子鑑賞-響焰11月号、波多野真代抄出)
体内年齢六十歳夏近し
雲雀野や互い違いに脚を出し
親鸞の結婚の謎春深し
響焔2022年8月号(No.650)
青焔集
黄金週間 (横浜)米田 透
黄金週間スーツケースが降りてゆく<
新緑や散歩のコース少し変え
化粧水男が買ってみどりの日 (波多野真代、和田璋子抄出)
抜いても抜いても夏草の十袋
初夏の風イネ科植物揺れており
響焔2022年9月号(No.651)
青焔集
梅雨明ける (横浜)米田 透
友五人みな妻健在花しょうぶ
五月雨や鮨水平に持ち帰る (波多野真代、和田璋子抄出)
父の日の大きな皿のビーフかな
大西日パソコン廃棄楽じゃない
梅雨明ける「運命の人」読み切って
響焔2022年10月号(No.652)
青焔集
水羊羹 (横浜)米田 透
映画版「二つの祖国」猛暑の日 (小川トシ子抄出)
夏旺ん投票用紙渡す役
赤白のワインが進み蓮の花
水羊羹卒寿の姉はにこやかに (岩佐久抄出)
土用丑の日大きな文字の電子本 (和田浩一抄出)
響焔2022年11月号(No.653)
青焔集
羽田空港 (横浜)米田 透
暑い日や住所氏名はまだ書けて
蟬時雨ワクチン接種四回目
而して真実を知る終戦日
ステーキにグリーンのサラダ秋初め
大残暑羽田空港港妻帰還
響焔2022年12月号(No.654)
青焔集
芋嵐 (横浜)米田 透
すあま買う農協帰り秋高し
威風堂々女王逝去秋気澄む
浴槽の水栓工事いわし雲
ややこしいPayPayカード狗尾草
二足歩行の歴史すさまじ芋嵐 (小川トシ子抄出)