米田透 俳句集(2014年)

響焔2014年1月号(No.547)

青焔集

秋晴れ    (横浜)米田 透

七輪恋し秋刀魚塩焼おろし添え
夕食に豆入りカレー秋深む
秋の富士野外の護摩に法衣着て
釣瓶落し応援すれど負け試合
秋晴れや色々合せて一万歩


響焔2014年2月号(No.548)

青焔集

ずわい蟹    (横浜)米田 透

みほとけと共にいちにち文化の日
横浜産のビールとつまみ冬浅し
真っ青に澄む冬の空街に出る (松塚大地抄出)
けんかにはならずに分けてずわい蟹
囲碁のあと鍋焼うどん金曜日 (奈良岡晶子
抄出)


響焔2014年3月号(No.549)

青焔集

忘年会    (横浜)米田 透

自転車の寿命が尽きて冬の雨
忘年会アメリカに住む人も来て
十二月電飾灯る丸の内
忘年会イージス艦の話など
(川嶋骼j抄出)
手作りのローストチキン聖夜かな


響焔2014年4月号(No.550)

青焔集

大寒    (横浜)米田 透

数え日や隣家へ伸びた枝を切り
雨戸の溝に蝋塗ってみて晦日かな
箱根駅伝復路新出て三日かな
正月の料理に飽きて親子丼
人の話をよく聴く修行大寒へ
 (鈴カノン抄出)


響焔2014年5月号(No.551)

青焔集

牛乳と卵    (横浜)米田 透

古希までは皆あと少し新年会
建国記念日ビーフステーキ家で焼き
牛乳と卵を確保雪予報
特別な日春の花束買い帰る
四種類のカレーとワイン雪解川


響焔2014年6月号(No.552)

青焔集

朧月    (横浜)米田 透

勘違い重なる日なり朧月
雪山を少しくずして出勤す
 (鈴カノン抄出)
骨抜きの秋刀魚売られる平和かな
(川嶋悦子抄出)
春鰯ソテーとなりて食われけり
春寒やジャケットの裾擦り切れて


響焔2014年7月号(No.553)

青焔集

筍    (横浜)米田 透

友は皆完全自適花見酒
バゲットは細くあるべし目借時
筋トレをまた少しずつ遅日かな
弁当にリンゴを追加夏近し
筍届く何はともあれ茹でにけり


響焔2014年8月号(No.554)

青焔集

風薫る    (横浜)米田 透

晩餐に鮭のムニエル昭和の日
満開のつつじに負けず微笑みて
楽しんで早朝奉仕みどりの日
五月十五日の花束赤く婚記念
七人の従兄弟再会風薫る


響焔2014年9月号(No.555)

青焔集

梅雨    (横浜)米田 透

初夏の風過去の記憶を整理して
親切な年金事務員梅雨に入る
七人のその後の話梅雨の雷
インド人にブッダの話夏至の宵
紙類を十字に縛り男梅雨
 (鈴カノン抄出)


響焔2014年10月号(No.556)

青焔集

夏の旅    (横浜)米田 透

玄米のご飯にカレートマトなど
夏の旅北陸にある我がルーツ
北陸線二両連結雲の峰
七月や時間空間歪みけり
 (中村克子抄出)
拍子抜けの台風通過金曜日


響焔2014年11月号(No.557)

青焔集

蝉    (横浜)米田 透

特製のスモークチキン秋立ちぬ
(加藤千恵子抄出)
半蔵門大使館から蝉の声
秋初め英語小説聴いて寝る
お地蔵さんに入魂の式秋暑し
交番に女性警官蝉時雨


響焔2014年12月号(No.558)

青焔集

秋初め    (横浜)米田 透

好きな絵から撮影上野秋初め
スパゲティと和風のスープ震災忌
犬の散歩少年野球秋の富士
敬老の日世界のラジオ選び聴く
ニューヨーク灯籠流しジャズ鳴りて



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